賛助会員ログイン

新エネ大賞

New Energy Award

資源エネルギー庁長官賞
令和6年度 新エネ大賞
資源エネルギー庁長官賞【導入活動部門】

世界初、3Dプリンターによる樹脂製水車翼の実用化による小水力発電の推進

(株)リコー
令和6年度 受賞事例 経済産業大臣賞

受賞のポイント

本取り組みは、3Dプリンターを活用した樹脂製水車翼を開発し、下水処理場などに導入している。水力発電装置のランナーについて、世界初の樹脂製の3Dプリンターによる部材開発、実用化した。プリンター事業で培った独自技術により、水車に必要な強度や耐水性を実現した。同型の金属製翼と比較し、ライフサイクルコストを約30%削減、生産期間を数ヶ月から数日に短縮した。現在は5kw未満の発電設備で実用化し、これまで費用対効果が薄かったマイクロ小水力発電の事業性を向上させ、下水処理場などに導入している。また、現在、水力発電設備メーカーと協業し、3Dプリンターによる樹脂製水車を用いたより大型の水力発電設備も開発中である。 こうした取組により、コスト面でなかなか導入が進まなかった小水力発電の導入拡大を推進しており高く評価された。

導入活動の概要

本事業は、再生可能エネルギーの導入促進と地域資源の有効活用を核に、岩手県遠野市をはじめとする中山間地域での小水力発電の普及を目指しています。近年、脱炭素社会の実現に向けて、従来の大規模な発電方式から地域密着型の小水力発電への関心が高まっています。特に、低流量・低落差の水源を活用した発電は、地域の豊かな自然環境を生かしながら、持続可能なエネルギー供給を実現する手段として注目されています。本事業の特徴は、3Dプリンター技術を駆使したピコ水力発電機の開発と製造です。これにより、従来の羽根に比べて約80%の軽量化を実現し、製造コストも従来の水車に比べて約30%のコスト削減を実現し、生産納期も大幅に削減し、従来の生産期間を、数か月から、数日に大幅に短縮しました。この軽量化とコスト削減により、地域自治体にとっても導入しやすく、効率的なエネルギー供給を可能にします。さらに、3Dプリンターを活用することで、部品のオンデマンド生産が可能となり、製造コストを抑えることができます。加えて、本事業では、ピコ水力発電機づくりのワークショップを実施し、地域住民や自治体、教育機関との連携を強化しています。ワークショップを通じて、再生可能エネルギーや小水力発電の技術的な理解を深めてもらい、地域の脱炭素化に対する意識を高めるとともに、地域住民自らがエネルギーの地産地消を実現するための第一歩を踏み出すことを目指しています。本事業は、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献、脱炭素社会の実現、地域資源の有効活用を目指すものであり、地方創生にも寄与します。特に、小水力発電は、地域の水源を利用した安定的な電力供給が可能であり、地域のエネルギー自給率の向上と、脱炭素型社会の実現に向けた重要な手段となります。これにより、地域経済の活性化や環境負荷の軽減を実現し、持続可能な社会の構築に貢献します。

世界初、3Dプリンターによる樹脂製水車翼の実用化による小水力発電の推進

【連絡先】

  • 株式会社リコー
    斎藤 啓
    メールアドレス akira.sa.saitoh@jp.ricoh.com